あああ、こんな日が来ようとは。うれしいような、はずかしいような、まだ信じられないような複雑な思いがする。新しい命を授かりました。
退職、引越と生活環境が慌ただしく変わるなかで、それでも気持ちおだやかに過ごすことができたためなのかもしれない。少しずつだけど、ふたりで生きる毎日の方向性みたいなものが、確立されてきたからなのかもしれない。新しい命のほうが、このふたりのところで生きてみてもいいかも!と、選んで訪れてくれたような気がする。
ただいま、命くん(夫は「よたろう」と仮名付けた)は2ヶ月。8月終わりには東京へ引越して、その後ばたばたしながらおそらくインドに飛ぶ。そして新天地での生活に少し慣れるであろう、年明け早々、ナマステー!といって顔をみせてくれることだろう。それにしても産まれ出る前から移動の多いこの「よたろう」。生粋のアドベンチャー野郎になりそうで、我が夫の後ろ姿を思いながらわたしは苦笑するのです。
うーん、恥ずかしいけれどこの温かい気持ち。夫や家族やまわりのみなさんの心遣いや支えを十分に感じています。大変に感謝です。こうしてひとはみんな思いやって生活しているのだな、と改めて気づかされました。
母に妊娠を報告したところ、31年前のわたしと母の母子健康手帳を譲り受けた。託された、というほうが正しいのかもしれない。彼女が昔温かい思いで綴った手帳には、言葉では語り尽くせない親の愛情が詰まっている。年月を経ても変わらない親子の絆。これまでの年月をたぐり寄せて新しい絆も絶えることなく紡いでいかねばならないのだ。