念願のマイカー!じゃなくて、チャータータクシー。
知人から「良い車がそろってる」と聞いたタクシー会社を使ってみたところ、あまりのファンシーさに感激したので思わずぱちり。エアコンついてるし、窓は割れてないし、座席はしっかり固定されてるし、装飾華美じゃないのもすてき……。
車がない我が家。遠くに出かけるときは、特にこどもができてからはタクシーを利用している。いつも使うタクシースタンドでは、4時間チャーターで500ルピー(約1,000円)、8時間だと900ルピー。電話すればたいていすぐ来てくれて便利。だけどドライバーはヒンディ語しか話さなかったり、道に迷ったり、運転が乱暴だったり、上述のような良い車にあたることはまれだし、もちろんエアコンついてないっていうのが当たり前だから、このクソ暑い時期にあの車じゃなあ、と思っていたところだ。
正直いって、タクシー呼ぶだけでもパワーがいる生活@デリー。買い物だって日本なら百均で手に入るような簡単なものでさえ、ぜんぜんみつからないこともしばしば。なにをするのもおっくうになることがあって、そういうときは夫に言われたものだ「ローカルにこだわりすぎると生活しにくいんじゃない?」。
タクシーの話ですまない。
外国人旅行者や駐在者向けに、時間単位や月極など様々だけど、タクシーサービス(運転手付きのレンタカー)を提供する会社はもちろんある。だけど価格はだいたいローカルの3〜5倍の値段になる。その場合、予約のやりとりはスムーズだし、運転手は英語がはなせて道もたぶん間違えないし、そもそも車がまとも。
生活者としては、できれば無駄にパワーを使いたくないし、もし少々のお金を出すことでストレスが軽減されるなら、ファンシーな外国人向けサービスを取り入れることも必要だよなあ、とは思いはじめていた。
とはいうものの、そもそも貧乏性で苦労好きのわたし。生活するなら(所詮数年の外国人滞在者だけど)、やっぱり地元の生活に馴染まなきゃ!と日本より帰印後、気持ち新たに開拓生活に臨んだのだった。で、やってきたのが、あの地元タクシースタンドのすてきな車とナイスな運転手。値段も基本4時間600ルピーでまあまあよろし。弱気にならず、めんどくさがらず、どんどん動いて道を切りひらいていこうと思うと同時に、デリー生活がどんどん便利になっていることを感じたのだった。めまぐるしく発展している、といわれるこの国が、例えばだけど日本のように整った環境に近づいているのだろうか。カオスと表現されるこの国の都市から、混沌とした生活の営みが消えていくのだろうか。それが発展なのだろうか。
快適な車内でぼんやり思っていたら、エンストしたオートリキシャを2台続けてみた。ドライバーがのんびりオートを押していた。渋滞の環八よりひどい状態の幹線道路で、そんな様子がとてもインドらしいと思って切なくなった。