25歳の女の子(失礼…!)と出かける機会があった。研修でデリーを訪れているのだけど、さすがお仕事、数週間の滞在で、まだ一度も観光的なお出かけをしていないとのこと。そこでヒマなおばさん(わたしのことね)が、おせっかいにも彼女を連れ出したのだった。
近い将来の海外勤務に胸躍らせながらも、結婚したいしー、いつかはこどもも欲しいしー、仕事だってやりがいがあるしー、でもやりたいことはほかにもたくさんあるし!…などなど、おしゃべりは尽きることがなかった。
ときどき生きかた、じぶんの歩いて来た道について考える。今もなにものでもないけど、25歳はもっとなにものでもない、ふにゃふにゃな存在だったと思う。20代後半崖っぷち。無茶もしたし、迷惑もたくさんかけたし、傷つけたし傷ついたりもした。恥ずかしいことなんてあげたらきりがない。でもそれがあって今がある。彼女には、「まだまだなんでもできるよ〜うらやましい〜」なんて軽い口をたたいてしまったけど、必死でたぐり寄せてきた、居心地の良い環境にいることを幸せだと思った。
あの日、あのとき。
人生をやり直せたらどんなに良いだろう。時間を戻せるなら、もしもう一度、去年の3月11日に戻れるなら。
わたしにできることは、忘れないこと。あのとき遠く音信不通のひとを思ったこと、こころを痛めたこと、生きることを考えたこと。こどもを抱きしめて、これからの道を考えたこと。そして、過去から学ぶこと。
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わたしの去年の3月11日、ちょうど今頃。
当たり前のことが、当たり前であることのかけがえのなさ。忘れないようにしよう。大切にしよう。